世界に誇る氷見の漁法

2015-03-31 | カテゴリー: ブログ 雑記

時折、氷見漁港魚、魚市場を訪れる機会があります。
今の時期は、真鰯、マイカ、カワハギなどお馴染みの魚たちがピカピカ、ピチピチ輝いています。
セリ人、仲買人など大勢の人たちが次々と売買していく無駄のないシステマチックな動きにはいつも感心させられます。

氷見漁港では早朝から定置網漁などの漁船からどんどん水揚げされていきます。氷見の主な定置網漁は沖に仕掛けた定置網まで約2、30分。網を起こして水氷の入った船倉に新鮮なまま魚を沖締めにし、新鮮なまま氷見漁港で水揚げされます。
そして水揚げ後すばやく競りにかけ、鮮度を保ったまま出荷されます。このスピード感が大切で、氷見の魚の価値を高めている重要な要素となっていることは言うまでもありません。

本番の登壇者になることはできませんでしたが、2年ほどまえに、とあるプレゼンイベントのオーディションで氷見の定置網について発表させていただいたことがあります。
氷見に400年以上前から伝わる越中式定置網は、氷見が世界に誇ることのできる自然と共存してきた漁業の方法です。
この定置網の方式では、網に入った8割の魚が自然に逃げていき、水揚げされるのは残りの2割程度です。
一見非効率に見えますがこのやりかたを通すことで、水産資源を根こそぎくとり尽くしてしまうということがありません。
自然の恵みを必要なだけいただくという、古くからの知恵で、里山と里海の循環。捕り過ぎない、資源管理にすぐれた、持続可能な漁法なのです。
発表のときに利用したプレゼン資料のファイルが偶然出てきました。ご笑覧いただければ嬉しいです。
写真や図が中心になりますが、実際に氷見ではJICAの研修も受け入れ、定置網を国際的に広めていくことに貢献していることも感じていただけるものと思います。
実際に、タイやインドネシアでの操業も始まり、氷見から漁師さんが定置網の敷設や操業指導に行かれています。南米ではコスタリカでも敷設にチャレンジしたことがあります。

氷見の定置網も、大型定置網はまだいいのですが、中型、小型定置の後継者不足の問題が指摘されているそうです。
昔の定置網はわら縄や麻縄を使い、農業とも繋がっていました。昔ながらの自然素材を活用した定置網漁は、貧困問題や食糧問題で深刻なアフリカなどにインフラとして輸出することも可能であると思っています。
地元の産業として、また世界貢献できる可能性を秘めた定置網漁は氷見にはなくてなならないものです。これを守り、さらに発展させていくのも大切な仕事であると再認識しています。